野菜カレーパーティをやりたい!

Teacher Teacher の個人スポンサーたちが集まるコミュニティの運営を手伝っている。コミュニティの立ち上げ準備に着手したのが 2023 年 10 月だったので、これを書いている 2024-10-12 の時点で、気付けば 1 年間ほど関わっていることになる。

コミュニティでは、子育て当事者の人たちとのやりとりが多くある。そこでおもしろいことに気付いたのでメモしておく。

友「じゅんぼくさん、子どもたちを集めて野菜カレーパーティをやりたいんですよ!」 じ「おお、楽しそうですね、進めてみましょうか」 友「おねがいします!」 じ「お子さんが野菜カレーを食べたがっているんですか?」 友「いえ、そういうわけではなく」 じ「?????」

たとえばでいうと、こういうやりとりがある。どういうことだろう〜と思ってヒアリングしたら、次のように整理できた。

  • お子さんは「カレーがだいすき!みんなでカレーライスを食べたい」と言っている
  • その親は「この子はぜんぜん野菜を食べないけれど、カレーに入っていれば食べる、この機会に野菜たっぷりのカレーを食べてもらえたらうれしい」と思っている
  • 親が「ほな、野菜カレーパーティをやったらええやん!コミュニティに相談や!」となる

こんな感じで「子が言っていること・望んでいること」の他に「親が望んでいること」的な成分があって、これらはしばしば混ざりあった状態でぼくのもとに届く。話を聞かせてもらいながら成分を整理していくと、出どころが別々であると判明する。

なにかをお手伝いさせてもらうに当たっては、ぼくは現状をなるべく正確に理解しておきたい。その方がよい関わり方ができると経験的に理解しているからだ。なのでヒアリングの機会を大事にしている。

「ぼくもカレーが好き!いっしょに食べよう」というモードでお子さんと出会えると、そのままなかよく友人になれたりする。「じゅんぼくさん、またあそぼうね」と言ってもらえるとよろこびがあふれる。

「親の意図を達成するために、あなたのもとに派遣されました」なモードでお子さんと出会うのは、なるべく避けたい。そういう職業でお子さんと関わるならそういうこともあるんだろうけれど、ぼくは自分の意思で友人のお子さんに会うわけだから、自分にとってもお子さんにとってもベターな出会い方をしたいと自然と願っている。

プロダクト・マネジメントにおける「顧客の発言をそのまま鵜呑みにして機能開発をするな」的な考え方と通じるものがあるね。子育ての現場におけるインサイトの読み解き方の知見ってのはありそうだ。