相手の時間を奪う

という物言いがあると思う。これを下記の通り大胆に二分してから話を進める。

(A) 社会全般における「相手の時間を奪う」 (B) 組織における「相手の時間を奪う」

では (A) について。これは「クレーマー」がわかりやすい。正当な理由がある場合は「奪う」というニュアンスにならないだろうから、不当なケースでの「わたしの相手をしなさい」という態度による「相手の時間を奪う」である。これについては、なくなるといいね〜とは思うけれどここでぼくが論じたいことはほとんどないのでこれで終わり。

(B) の方は「仕事術」的な文脈で「相手の時間を奪わないように」「相手の時間を奪うのはよくない」といった語られ方をする。これについてぼくが思うことを書いていく。「相手の時間を奪う」という発想が好きではないので、なぜそう思うのかという理由が主になる。

  • そもそも「奪う」のはよくない
    • 対象がなんであれ奪うことで感謝されることは少ないと思う
      • 奪ってもいいのは「あなたの心」くらいでは…?
    • 時間は資源として「活用する」もの
  • 「相手の時間」と「自分の時間」を過度に区別したくない
    • 組織やチームで活動するなら「チームの資源の一部」という観点があるといい
    • 「自分の時間なら奪ってもいい」「自分の人件費はタダ」みたいな雰囲気を少しも出したくない
    • 「相手の 5 分を節約するために、自分の 2 時間を捧げる」のはいいのか?
    • 段取りが悪くて時間が無駄に… ってケースは、相手の時間だけじゃなくて自分の時間の使い方の話でもある
    • 関連 : 自分も他人も同じ基準で捉える
  • 「わたしの時間を奪うな」的メッセージになる危険性を含んでいる
    • 立場の強い人が言うときは本当に気を付けた方がいいと思う
    • 「奪う」って言葉が強いので、ハラスメントの道具になりそうで心配
  • コストに過剰にフォーカスさせる言い方である

というわけで、ぼくはどう考えているかをまとめる。

  • 時間は資源として活用するもの
  • 組織やチームの資源をうまいこと活用してよりよい結果を目指しましょう
  • 略奪はよくない