認知閾
認知閾(にんちいき、英語: Cognitive threshold)とは、人間にとって理解が追い付かなくなり始める社会問題の複雑度のことである。
理解できないほど複雑な問題に直面した社会の構成員は不合理な思い込みを優先するようになり、問題への対処を誤り続けることによって、事態を悪化させてしまう。この状態が何世代も継続してしまうと、必ず社会が崩壊する。認知閾は、アメリカの社会生物学者レベッカ・コスタ(英語版)が著書『文明はなぜ崩壊するのか』の中で定義した概念である。
レベッカ・コスタは自身の著書の中で、認知閾に関して、「社会問題が高度に複雑化すると、人間の脳は社会問題への理解が追いつかなくなる『認知閾(いき)』という状態に達し、以下のような非合理な思い込みや行動に走る傾向にある。」と述べた上で、その例として下記のような行動を挙げた。 ・反対はするが対策はない ・個人に責任を転嫁して問題を解決したと酔いしれる ・怪しげな因果関係に飛びつく ・物事の原因が不明でも何か一つにこじつける(タブロイド思考と同様) ・緩和策や応急処置に満足し根本問題を先送りする ・問題を細分化してより複雑にしてしまう ・行き過ぎた経済偏重行動をとる