セレクティブ・エネミーと栄養失調
#2018-09-19 #エッセイ
セレクティブ・エネミーというのは便利な言葉で、おかげでぼくの考えもいくらか前に進んだように思う。
ぼくは意識して自分が接続する情報チャンネルを選び、維持してきたつもりだったけれど、最近はウェブを中心に情報を摂取していてもワイドショー的なコンテンツが多く流れてくるようになってしまい、精神衛生のために情報チャンネルのメンテナンスをしなきゃな、と思わされる最近。
これだけいろんな情報にアクセスできると、毎日、自身に優越感を与えてくれるような情報を得ることはむずかしくない。毎日毎日、誰かの失態情報が延々と生成されているので、こいつはバカだな、なんでこんなことしちゃうんだろ、自分はこいつより賢いな、と思いながら暮らしていくことができる。
しかしまあ、そうやって、瞬間的にでも自分より悪い立場にいる人を見つけてきては自分と比較してどうこうするってのは、そこらへんを歩いている小学生になにかしらの勝負を仕掛けて連勝記録を伸ばすような行為であって、得るものは少ないと思う。情報のジャンクフードという感じ。そんなものばかり選んで摂取していたら、骨がスッカスカになって死んでしまうのでは、と心配になった。